企業が守るべきルールにはいくつか種類がありますが、今回ご紹介するのは「コンプライアンス」と「内部統制」についてです。
「コンプライアンス」は主に対外に対して、一方「内部統制」は会社内部に対して効果を持つものです。
それぞれ詳しくご紹介します。
コンプライアンスとは?
企業コンプライアンスとは、コーポレートガバナンスの基本原理の一つで、一般に企業の「法令遵守」または「倫理法令遵守」を意味する概念。ビジネスコンプライアンスという場合もある。
(Wikipedia 「企業コンプライアンス」より)
近年コンプライアンスと言う言葉が広く知れ渡ってきていると感じますが、その原因は企業によるコンプライアンス違反が報道され、人々により企業による社会的責任の重要性が認知されてきているからだと思います。
企業は最低限の法律を守れば良いわけではなく、社会の一員としてよりよい世界を作るための構成員としての役割を求められてきているということを理解し、責任ある活動をすることが必要です。
コンプライアンスと経理社員との関係性
すでに述べてきたように、コンプライアンスは企業が遵守すべきものであり、社員一人一人が意識して守るべきものです。
そんな中、以前お話しした通り経理には会社のあらゆる情報が集まってくれ組織であるため、このコンプライアンスが適切に守れているかどうかのチェックをしやすい立場にあります。
例えば、これから新しい取引を進めるに当たり会計処理を考える必要がありますが、その中で法律や規則が遵守できる内容であるかを確認することができます。
もし何らかの不備があれば是正を促し、社会の一員として恥ずかしくない取引にできるよう指導をしていくことが求められます。
これは普段から相当意識しておかないと現場の意見に流されてしまうものであるため、経理社員は自分の中に指針を持ち、何が会社にとって良い進め方なのかを考え続けることが重要です。
(これはなかなか難しいことですけどね。)
内部統制とは?
内部統制とは組織の業務の適正を確保するための体制を構築していくシステム(制度)を指す。すなわち、組織がその目的を有効・効率的かつ適正に達成するために、その組織の内部において適用されるルールや業務プロセスを整備し運用すること、ないしその結果確立されたシステムをいう。
(Wikipedia 「内部統制」より)
先述のコンプライアンスを遵守するためには、会社の中で適切に処理することができるような仕組みを作っておく必要があります。
その仕組みの一つが「内部統制」です。
この言葉はあまり知られていない気がしているのですが、内部統制では会社業務の運用について細かく文章化し、その通り実施されていることを確認して問題ない運用ができていることの確認をしています。
そのため、最初に内部統制の手順を作るのは非常に大変ですが、1度完成すればあとはその通りに進めれば良く、法律等の変更に応じて適宜修正をしていくことになります。
この内部統制は一定以上の規模の会社で適切に運用する必要があり、外部監査を受ける対象にもなっています。
(J-SOXとも呼ばれています。)
内部統制は最も正しいマニュアルである
先ほどお話ししたとおり、内部統制では業務の運用手順を規定し、その通りに運用できているかどうかをチェックしています。
言い方を変えれば、会社として正しい運用がすべて記載されているのが内部統制と言うことができます。
特に会社に入ったばっかりの方だと自分の業務以外の内容が分からないケースが多いと思いますが、この内部統制の規定を見ればすべて書かれているため、すみずみまで読み込めば会社業務の全体像をつかむことができます。
ただし、かなり具体的に書かれており、分量がとてつもなく多いことに加え、専門用語が入っていることがあるため理解できるようになるには時間はかかると思います。
これについてはその業務を行っている方にヒアリングする機会があれば解決できるため、自分の業務に関係なくても見てみようという気持ちを持つことができれば他の人よりも確実に会社を理解するのが早くなります。
自分の知識を増やすための方法は人知れず存在しているものなのですね。