今回は毎日実施する経理業務についてお話しします。
現金出納とは?
この手の話をするときには最初に出てくるのがこの「現金出納」です。
現金出納とは現金の出し入れのことであり、金額の比較的小さいものの購入や緊急性の高い出費が必要になった場合に活用する現金を管理するのが業務となります。
朝業務開始時に金庫を開けて現金の金額を確認し、日中に出した金額とその内容を帳簿に記入、業務終了時に残高を確認して帳簿と金額が合っているかどうかを確認します。
会社での運用方法により1日にどのくらいお金の出し入れがあるかどうかが変わりますが、漏れなく管理しないとすぐに分からなくなってしまいますし、最も盗難のリスクが高いものになるため注意が必要です。
ちなみにですが、この業務は経理業務の紹介時に最初に出てくるものでありながら、私はしたことがありません。
私が経験してきた会社ではこの現金管理は経理部以外が担っており、そこの部署の方に日々の金額確認はしていただき、月末に集計金額の情報をもらって金庫の中身と合っているかどうかの「実査」をしていました。
経理の社員でなくても経理業務をすることがあるという、良い例ですね。
ほぼ現金と同一なものの金銭管理
現金出納以外にも現金出納と共に経理業務の紹介時に最初に出てくるものがあります。
それは、小切手と手形です。
小切手とは?
小切手とは、その小切手を発行する(振り出すと言います。)人が自分の取引銀行に支払いを委託する有価証券のことで、銀行に持ち込めばその小切手を現金に換えてもらえます。
ちなみに、ドラマやマンガでお金持ちが報酬としてお金を支払う際に、「好きな金額を書いて」と言うシーンがあるのですが、それはこの小切手に金額を書き、銀行に持ち込むことでその金額を受け取ることができるというものになります。
手形とは?
手形も小切手と同じように現金の代わりになるもので、約束手形とも言われています。
これは小切手とは違い支払期日があり、その期限が到来して初めて記載された金額を受け取ることができます。
小切手は受け取った瞬間に同額引き換えが可能なのですが、手形は1ヶ月後や半年後等の期日があり、基本的にはそれまで現金に換えることができません。
ちなみに、こちらもドラマやマンガで「不渡りがでて倒産する」みたいなシーンがあるのですが、それはこの手形のことであり、支払場所に指定されていた銀行の残高が足りない場合に手形が銀行から拒絶され、支払いできなくなった状況のことを指します。
これは、それほどまでに資金繰りが悪くなったということであり、大抵は倒産につながるものです。
その他日々実施する業務
上記の現金や手形の動き以外にも会社のお金は動きます。
例えば毎月発生する水道光熱費は口座振替の登録をしていれば自動的に銀行口座から引かれますし、請求書の振込を実施すればその分の仕訳計上は可能です。
また、支払いに関するものではなく売上に関する業務であれば、入金されたタイミングで経理処理はできますし、受注や出荷、納品書・請求書の発行も経理業務の一つです。
これらは毎日必ず実施しなければならないわけではない業務もありますが、あまりため込んでしまうと後が大変になってしまうため、こまめに処理をすることが重要です。
システムの活用が当たり前の世界になっている
現在はすべてを手作業で実施することはまずなく、システムを活用してなるべく自動化し手間を省いていると思うので、気がつかぬ内に日々処理がされており、月末近くに内容をチェックするというケースが多くなっていると思います。
世の中の技術革新が進めば進むほど事務作業を減らすことになり、空いた時間でより会社の利益となるようなことに注力できるようになるのは間違いありません。
ただし、そのシステムを活用し始めるときにはやりたいことをシステムエンジニアに正しく伝えることができ、実際の運用時に問題なく業務を進めるかどうかの確認が必要です。
いまとりあえず事務作業をしているという方がいらっしゃったら、もう少し自分の作業の立ち位置を認識し、新技術に作業を取られてしまっても次は何をしようというものを探しておく方が良いと思います。
20年も経てば今のやり方は通用しなくなりますからね。