経理業務=簿記なの?
経理業務の話をするにあたり、簿記は切っても切れない関係にあります。
そのため、経理業務の話をする際は根本的な知識として土台として持っておく必要があります。
ただ、身につけるべき知識はそれだけではありません。
下記内容は一般的に経理社員が身につけるべき知識の主な内容です。
・簿記・会計(会社法、金融商品取引法含む)
・税金(法人税、消費税等)
・給与関係(所得税法含む)
・社会保障(社会保険、労働保険等)
・銀行取引(手形の取り扱い等)
・その他一般常識
もちろん何でも完璧にすることは難しいため、自分の経験を通して知らないことを潰していくケースが多いですが、すべてを自分で経験することはできないので、本などで勉強していくことが必要となってきます。
その知識が直接役に立つ場面が頻繁に出てくることはないかもしれませんが、それぞれの知識はつながりがあるため、将来的に役立つ可能背は大いにあります。
「経理=簿記のみ」というのは、現実とはかなり違うことになります。
でも簿記は大切でしょ?
とは言いつつ、やはり経理の基本知識として簿記は大切なので、基本的な知識について説明していきます。
仕訳はすべての始まり
経理業務は仕訳の計上ができてようやく始まります。
以前情報収集が必要だという話をしましたが、それはこの仕訳計上するための事前準備です。
プラモデルで考えると、各パーツを用意するのがこの仕訳計上に当たります。
最終的には有価証券報告書等の形式で外部へ公表することになるのですが、それを形作る最小単位がこの仕訳になります。
仕訳の構成単位
この仕訳計上にはその前に準備する物があります。
- 正確な取引内容の把握
- 正しい会計処理の構想
- 「勘定科目」の決定
- 取引内容や金額がわかる「証憑」の用意
仕訳は上記4点がそろうことで実際に計上することができます。
「証憑」とは、取引が成立したことを立証するための書類のことを指します。
請求書や領収書などがこれに該当しますが、それ以外にも取引内容を示すものを指すので、幅広く該当します。
では、コンビニで100円のお茶を現金で買うケースについて考えてみましょう。
(※あくまで極端な例なので、実務上は異なる仕訳をするケースが多いと思います。)
- 本日打ち合わせのために来社されるお客様にお茶を提供するために購入する
- 本日中にお茶はお客様に提供されるため「費用」処理しよう
- 勘定科目は「会議費」にしよう
- レシートを必ずもらって取引内容と金額を証明しよう
→会議費100/現金100
- 来月開催される社外向けイベントで提供するためのお茶を購入する
- 今月末にはお茶はまだ手元に残っているため「資産」として管理しておこう
- 勘定科目は「貯蔵品」にしよう
- レシートを必ずもらって取引内容と金額を証明しよう
→貯蔵品100/現金100
上記は極端な例ですが、同じコンビニで購入した取引でも目的により仕訳内容が異なります。
やたら細かく取引の内容を経理に聞かれた経験がある方もいらっしゃるかもしれませんが、それは取引内容により最終的な仕訳が異なるからです。
適切な会計処理のために聞いている物になりますので、どうか面倒くさがらずに答えてあげてください。