そもそも簿記って何?
「簿記」という言葉は聞いたことがあるけど、内容は知らないという方は多いと思いますので、まずは定義を押さえましょう。
簿記(ぼき、英語: bookkeeping)とは、企業などの経済主体が経済取引によりもたらされる資産・負債・純資産の増減を管理し、併せて一定期間内の収益及び費用を記録することである。より平易な言い方をすると「お金やものの出入りを記録するための方法」である。記帳方法によって単式簿記と複式簿記があるが、今日では、産業革命以降、企業の大規模化に伴い一般的な記帳方式である「複式の商業簿記」を指して「簿記」と称することもある。簿記の種類には商業簿記、工業簿記、銀行簿記、農業簿記などがある。簿記は、会計学よりも会計における実務に近い部分を担当する。
(Wikipediaより)
ご存じない方も多いと思いますが、実は一口に「簿記」と言っても様々な種類があり、目的により表現の仕方がいくつもあります。
Wikipediaの定義にも記載があるように、一般的に「簿記」と言われているものは「複式の商業簿記」のことであり、私も特に注書きをしていなければ複式の商業簿記前提で話をしています。
前回も特に説明なく話をしてしまいましたが、簿記ではお金の出入りだけでなく、ものの出入りについても記録しています。
前回話に出た「材料」や「商品」はお金ではなくものに当たりますが、こちらも動きを把握して逐一記録しています。
これにより「企業などの経済主体が経済取引によりもたらされる資産・負債・純資産の増減を管理し、併せて一定期間内の収益及び費用を記録すること」、つまり企業の財政状態と経営成績が把握できるようになります。
経理社員はこの簿記を駆使して今までに説明してきた役割を全うしています。
じゃあ、「複式の商業簿記」って何?
では、一般的に使われている簿記である「複式の商業簿記」についてもう少し詳しく見ていきましょう。
ここで言う「複式の商業簿記」というのは、「複式簿記」形式の「商業簿記」という意味です。
それでは順番に説明します。
複式簿記とは
複式簿記(ふくしきぼき、英: Double-entry bookkeeping system)とは、簿記において、全ての簿記的取引を、その二面性に着眼して記録していき、貸借平均の原理に基づいて組織的に記録・計算・整理する記帳法のことをいう。
(Wikipediaより)
取引の二面性というのは、一取引には原因と結果という二つの側面があるということです。
例えば、コンビニでお茶を現金で買ったという取引について考えた場合、お茶を手に入れた(資産の増加)と、その結果現金が減った(資産の減少)という二つの側面があることを意味します。
複式簿記ではこの取引の二面性に着目し、「仕訳」という手法で記録をしていきます。
「仕訳」というのは、発生した取引を、資産、負債、純資産、費用、収益のどれかに該当する「勘定科目」と呼ばれる科目を使って記録する手法のことです。
複式簿記では一取引を借方(左側)と貸方(右側)に振り分け、左右で同じ金額を記録していくことになり、必ず左側の合計と右側の合計は一致します。
商業簿記とは
完成している商品を仕入れて販売する会社の財務状態を管理するための記帳方式。最も基本的な簿記である。ただし、どの会社にも共通する決算に関する会計処理や、固定資産の償却処理なども「商業簿記」として取り扱うことがある。
(Wikipedia 「簿記-簿記の分類」より)
こういう説明の時によく例に出されるのは八百屋さんです。
野菜を仕入れてそれをお客さんに売っている八百屋さんがつけている帳簿はまさしく商業簿記ですね。
実務上はその会社で行っている簿記をひっくるめて「簿記」という言い方をしていると思いますので定義上は商業簿記ではない部分も出てきますし、普段これは商業簿記、これは工業簿記、みたいに意識することはないので、簿記検定を勉強する方以外はそこまで気にしなくてよい気がします。