お金には色がある
企業が活動するためには当然お金が動きます。
材料を仕入れ、商品を作り、その商品を販売する過程で様々な企業が関わりあらゆる取引を経て企業の利益を生み出すことになります。
その取引中、お金は状態に応じて下記のような形に姿を変えます。
・現金
・銀行預金
・小切手
・買掛金
・売掛金
・借入金
・貸付金
・在庫
などなど。
経理はこの様々に形を変えるお金を内容に合った色づけをすることで適切な分類をし、動きを把握して企業の実態を「財務諸表」という形式で集計しています。
お金の流れを見てみよう
上記のように企業のお金は姿を変えて動き回ります。
では、簡単な取引を例に物の動きとお金の動きを見てみましょう。
このように、物の動きと異なる動きでお金は動きます。
ただし、経理ではお金の動きがないときも取引内容を把握し、括弧書きのような「仕訳」を使って取引を記録しています。
材料を仕入れた場合には「買掛金」として支払い待ち状態を記録し、仕入れ先に対して支払いをした際には「買掛金は」なくなります。
また、商品を販売したときには「売掛金」としてお金の回収待ち状態を記録し、得意先から支払いを受けた際には「売掛金」はなくなります。
簿記や会計に携わらない方にはとことんなじみのない「仕訳」ですが、会計処理を行うための一言語だと考えてもらうのが一番近い気がします。
プログラムもC言語やjava等の言語を用いてプログラミングするのに対し、会計では「仕訳」という言語で記録をしています。
とにかくお金がないと始まらない
先ほどの図を見てもらうとわかるように、まず初めに材料を仕入れ、それを加工して販売する良くある取引では材料を仕入れるためのお金が必要となります。
図を簡単にするために書いていませんが、材料を加工するためのお金として設備や人員を確保するためにもお金がかかってきます。
商品として完成させるためにまずお金が必要となり、それが得意先に売れてもさらに一ヶ月ほど後にならないと現預金として手元には入ってきません。
これは商売をする上では基本であるものの非常に重要なことになります。
たとえ商品の販売ができたとしても、仕入れ代金の支払いができなければ最悪倒産することにつながりかねません。
ドラマ等で「手形に不渡りが出たことで倒産してしまった。」みたいな話を聞いたことがある方もいると思いますが、これも結果的には仕入れ先への支払いができなかったことによる倒産となります。
資金繰りは経営の基本
企業は仕入れ代金の支払いと販売代金の回収を滞りなく行う必要があり、このことを「資金繰り」という言い方をします。
この資金繰りを問題なく行うことができてはじめて継続的に取引を続けることができるのです。
ここがわかるようになると、ドラマに出てくる中小企業社長さんによる奮闘ぶりの意味がわかるようになるのではないでしょうか。