会計には2種類ある
前回お話ししたとおり、あらゆる情報を集めることは経理の役目を果たす上で重要ですが、それと同じくらい情報を発信することも重要です。
この情報発信についてですが、大きく分けて2種類あります。
- 社外への発信
- 社内への発信
集めた情報は社内外へ発信をするのですが、それぞれの目的を果たすために考え方を変えて情報を提供しています。
実は一口に会計と言っても、情報発信先が2種類あるように会計にも多く分けて2種類の会計が存在し、それぞれ
1.財務会計
2.管理会計
と分かれており、定義は次の通りです。
・財務会計:財務会計(ざいむかいけい、英: financial accounting)は、財務諸表を核とする会計情報を、企業外部の利害関係者(株主、債権者、徴税当局など)に対して提供することを目的とする会計である。
・管理会計:管理会計(かんりかいけい、英語:management accounting)は、企業会計の一種。主として、会計情報を経営管理者の意思決定や組織内部の業績測定・業績評価に役立てることを目的としている。
(Wikipediaより引用)
このように、目的が異なる2種類の会計を企業は適切に使い分けています。
集めた情報は発信するのだ
さて、それぞれの目的のために財務会計と管理会計を使い分けることになりますが、もう少し詳しく説明します。
財務会計とは
財務会計は会社法や金融商品取引法などによって定められている基準に従って処理を実施する会計であり、同じ基準に従っている会社同士で比較をしやすくなります。
この財務会計のおかけで投資家は企業同士の比較分析が容易となり投資判断ができ、銀行等も貸し付けをするかどうかの判断をある程度基準に沿って決められるため時間短縮できるようになります。
それだけではなく、企業が取引先の情報を取得して倒産の危険性は高くないか確認して取引を継続するかどうか、規模を大きくするかどうかを判断する際にも用いられています。
管理会計とは
一方、管理会計は経営者の意思決定や業績測定等のために用いるもので、情報提供先は社内となります。
そのため会社によって求める情報は千差万別で、それぞれの会社にあった指標を集計、分析して会社の方針を決めることになります。
京セラの仕組みとして知られているアメーバ経営はこの管理会計にあたります。
何がその企業にとってよりよい管理会計であるのかに正解はないため、日々何が有用な情報なのかを考えながら研究をしていく必要があります。
有名企業の管理会計手法については別の機会にお話ししたいと思います。
最後に
このように、目的に応じて2種類の会計があり、どのような目的で各種処理を行っているのかを理解することが経理には求められます。
目的を間違えて進んでしまうと、やっていることでは足りないことや、間違った方向へ進んでしまうことがあります。
ゴールがどこなのかを理解しながら業務を行うの重要であることはどの職種でも同じですよね。
会社の経理と話をする際に、この2つの違いを意識していると交渉もしやすくなるかもしれませんよ。